すみれの花言葉にまつわるお話

すみれ 花言葉 写真

写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市)

すみれの花言葉は、「つつましい幸福」。

この花言葉をみると、モーツアルトも歌にした有名なゲーテの詩が思い起こされます。

ゲーテのすみれは無垢な青年。

羊飼いの娘に一目ぼれをして、足取りも軽く歌いつつやってくる彼女に、ほんのひと時でいいから、あの人が私を摘んで、その胸に抱きしめてくれるならと夢想します。

ところがその想いもむなしく、彼女はすみれの存在にすら気付かずに、その足で踏みつけて行ってしまいました。

哀れなすみれは、それでも息絶えながら思います。

あの人のせいで死ねるのだもの、私は幸せだ・・・と。

なんとも可哀そうな詩ですね。

これほどのつつましい愛、小さすぎる幸福が、他にあるでしょうか。

すみれの花言葉には、ほかに「誠実」、「無邪気」、「謙虚」、「純潔」・・と、いずれも清楚な美しさをたたえた言葉が並びます。

「つつましい幸福」を花言葉に持つすみれは、こんな花です。

すみれは、日本にも在来種のある小さな雑草のお花です。

道端など、人里の近くに生えるものが多く、代表的な紫の他、白いものや薄紫、青に近いものなど、種類によって色も様々です。

すみれを特徴づけているのは、はにかむように首をうなだれて咲く姿、そして独特な形のはなびら。

一番下の1枚だけが大きく伸び、後ろ側が盛り上がって袋のようになっています。

その姿が、大工さんが板にまっすぐな線を引く時に使う「墨入れ」の不思議な形に似ているために、すみれの名が付いた・・とは、かの植物学者、牧野富太郎博士の説です。

すみれは、目立たないありふれたお花ながら、東西問わずとても愛されてきたお花です。

きらびやかな美しさとは正反対の清純で可憐な愛らしさが、清らかな乙女の面影に重ねられ愛でられてきた経緯は、ギリシャ神話のゼウスとイオの逸話や、アフロディティとキューピッドの逸話でもあきらかです。

ゼウスの浮気の相手は、無垢で可憐な娘イオ、妻のヘラの怒りを受け、最終的には星になってしまったイオをしのんで作られたのがすみれだといいます。

アフロディティのお話も、純白の乙女だったすみれに嫉妬したアフロディティが彼女らを叩いたために、紫色になってしまったというもの。

先のゲーテの詩は、すみれを純粋な若い男性に見立てた少しめずらしいものともいえそうですね。

男性といえば、すみれを愛でた著名人たち。

ゲーテやワーズワースのような詩人たちについては言わずもがなで納得ですが、かの偉大なナポレオンが愛したお花がすみれだったという話も大変有名です。

好きが高じて紋章まですみれにしてしまい、「すみれ伍長」のあだ名をもらうほどだったとか。

奥さんのジョセフィーヌがバラのパトロンと呼ばれ、広大なバラ園や珍しいお花のコレクションを誇りにしていたことを思うと、あまりに対照的ですね。

ナポレオンの心中いかにありやと、興味深いところです。

すみれの花言葉から貴方を占うと・・・

誠実で、人とのお付き合いにも仕事にも、いつも真面目な態度で取り組みます。

バリバリとエネルギッシュにといった風情でもありませんが、実直で着実に物事をこなしていくので、皆から信頼を受け、自然と昇進していたりするタイプ。

けれど、心の中はとても素朴で、求めているのは家族の小さな幸せ。

いちばんほっとする場所はささやかな家庭の団欒というあなたの本心には、周囲はほとんど気付いていないようですが・・。

暖かい、包容力のあるパートナーを見つければ、きっと末永く幸福な人生になるでしょう。