スゲの花言葉にまつわるお話

スゲの花言葉は、「隠忍」。カヤツリグサ科、スゲ属は、世界で2000種類ともいわれるその仲間が温帯を中心に根強く自生し、現在も新しい種類が次々と発見されているとか。カヤツリグサは雑草の中でも繊維が丈夫で、茎にもしっかりした硬さがあります。子どもの時分、その茎を折り取って二人がかりで両端から裂いていき、四角形を作る遊びをした記憶のある人も多いでしょう。その四角く広がった様子が、昔はどこの家でも夏の必需品だった蚊帳(かや)を吊っているように見えるので、カヤツリグサの名がついたとも言われます。どちらかというと湿地に生えるものが多く、根元から密生したり、地下茎を伸ばしたりして、株を増やしていく丈夫な根っこは、地固めの役割も果たします。「隠忍」の花言葉にふさわしく、とても地味な植物ですが、近頃は細く長い葉を豊かに茂らせるベアグラスなど、美しい園芸種も売られたりしているようです。カヤツリグサの花言葉は、他に「自重」、「伝統」、「歴史」などがあります。因みにベアグラスには「物静か」という言葉があてがわれています。いずれも、この楚々としたイメージの植物にぴったりの花言葉だと思いませんか。

「隠忍」を花言葉に持つスゲは、こんな花です。

スゲは、カヤツリグサ科、スゲ属の多年草。アジアや北アメリカ原産で、日本にも200種以上の自生が認められる、根強くたくましい植物です。いわゆる「草」の類でも、イネ科が様々な穀物として食用に改良されてきたのに対し、カヤツリグサ科はほとんど食用に進化する事もなく、もっぱらその強い繊維が用いられるぐらいの地味な存在です。カヤツリグサ科の繊維といえば、古代エジプトで元祖「紙」の材料となったパピルスは有名ですね。

そんな目立たない存在のスゲですが、その昔には傘の材料として、専用に栽培されていたという歴史も持っています。手遊びでも知られた「茶摘み」の歌詞にも「茜だすきにスゲの傘」と歌われ、昔は生活必需品であったスゲ傘の工芸は、傘地蔵などの民話にもなったように、農村の副業としても大切なものだったのでしょうね。かぶると風通しが良く熱を逃がすので、思っている以上に快適なようです。また万葉集の中には、このスゲについて触れたものが60首もあるそうで、万葉の人々が、強く生き延びて命を繋いでいくスゲの姿に、特別の感情を寄せていたことがうかがわれます。

カヤツリグサ科のスゲ属には、ワタスゲ属という親戚があり、こちらも地味な草ながら大きな特徴をひとつ持っています。それは、ワタスゲの名前のもとになった、真白な綿をいただくその実です。カヤツリグサらしく、細いけれど丈夫でまっすぐな茎の先に、ふわふわの綿を付けたこのワタスゲは、涼しい湿原のようなところを好んで自生するので、英語ではボグコットン(湿地の綿)とも呼ばれます。アイルランド西部地方の荒涼とした湿原では、夏になると見渡す限りこのワタスゲが実り、強い風に吹かれて一斉になびく綿の様がなんとも幻想的です。ストーンサークルなどの遺跡が散在する荒野で、風に揺れるワタスゲの原を見ていると、バンシーやレプラコーンなどの妖精が多数生み出された土壌に深く納得がいくのです。

このワタスゲは、日本にも自生する種類があり、スズメノケヤリ(雀の毛槍)という可愛らしい別名も持っています。残念ながら、日本では身近な場所での繁茂がなかなか難しいようですが、北海道や中部地方以北の高層湿原で、その幻想的な群生を見ることができます。

国内に自生するスゲでは、白い房のような花を咲かせる寒スゲも山野草として愛されていますし、スゲ傘の材料にもなる傘スゲは、草丈も高く、傘を編むのにふさわしい姿です。目立たない草の姿をしたスゲですが、その世界はとても奥深いようです。実際、植物好きの人にはスゲを特別に研究しているマニアもいるとか。こうして入り口を少し覗けば、道端の草を見る目も少し変ってきそうですね。

スゲの花言葉から貴方を占うと・・・

人知れず、目立たないところで、そっと尽すことのできる人。人前に立つのも苦手なので、無意識のうちに陰にまわってしまう事が多いのですが、それでも黙々と自分の役割を果たし、あまり苦にもしていないようす。そんなあなたは、今時とても貴重な人材です。必ず、認めてくれる人がいるはずです。それでも時には自分のあまりの目立たなさに、自分で情けないと思ったりする事もありますか?もしそう考えることがあったなら、何か本当に言いたい事があった時に、はっきり表明してみるのもよいかもしれません。普段、物静かながら、しっかり者のあなたの言う事だけに、インパクトも人一倍強いはず。それを機会に、あなたの世界も一回り、大きく広げることができるかも。