百日紅の花言葉にまつわるお話
写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市)
百日紅の花言葉は、「愛嬌」。
愛らしいお花には古今東西、様々な伝説がつきもの。
中でも悲恋のお話は大変多く、この百日紅にも朝鮮半島に一つの伝説があります。
旅の王子が、竜神の生贄にされていた生娘を救うため、勇敢に闘って竜神を退治したのち、その娘と恋に落ちますが、使命を終えるまでは暫しの別れと、百日後の再会を約束して旅を続けることになります。
ところが、待ちわびた約束の日を目前に、あろうことか娘は亡くなってしまい、帰還した王子は嘆き悲しみます。
やがて娘のお墓からは一本の木が生えて紅色の可憐な花を咲かせ、いつまでも咲き続けたため、百日もの間恋人を待ち続けた娘の生まれ変わりに違いないと、村人達はこの花を百日紅と名づけました・・。
「猿も木から落ちる」の諺を思わせる少々滑稽な名前とはうらはらの、こんな物語を背景にした「百日紅」の名前だったのですね。
百日紅には、「愛嬌」の他、「不用意(これは、うっかり滑ったお猿さんの事でしょうか?)」、「世話好き」、「雄弁」、「活動」など様々な花言葉があるようです。
「愛嬌」を花言葉に持つ「百日紅」は、こんな花です
「百日紅」は、ミソハギ科の落葉小低木。
故郷の中国から日本にもたらされたのは、江戸時代より少し前、室町か安土桃山の戦乱の世の頃といわれています。
漢字で書いた文字通り、ひとたび咲き始めるとその花期は長く、3ヶ月近くの間、夏の炎天下をものともせずに元気に咲き続けます。
でもこれはもちろん、1つの同じお花が3ヶ月咲き続けているわけではありません。
お花が咲いて散った後、さらに新しい花が同じ枝から次々と咲き出るために、いつまでも咲き続けているように見えるのです。
このように長く咲き続ける百日紅ですが、春の芽吹きは他の多くの木たちの中でもけっこう遅めのお寝坊さんです。
暖かい中国南部の育ちのせいか、寒い中で起きるのは嫌なのでしょうね。
だから、お花が終わった後は今度はいち早く葉っぱを散らせて冬支度に入ってしまいます。
寒い間はたっぷりとお休みをして、そのぶん夏の間に思い切り咲き誇るという百日紅のようなライフサークルも、何ともきっぱりしていてよいですね。
どこの職場にも1人くらい、そんな人がいそうです。
百日紅の文字とかけ離れた「サルスベリ」の読みをもたらした、この木の滑らかな肌は、木の生長とともに古い樹皮が剥がれて新しい木肌が現れる事で実現しています。
まるで女性達のあいだで話題のケミカルピーリングみたいですね。
病院で施術を受けるとまではいかなくても、百日紅にあやかって、新陳代謝のよい元気で綺麗なお肌を保ちたいところ。
でも現実は忙しい毎日、つい無理や不摂生がたたってお肌も荒れがちに・・?それではせめて、表情だけでも明るく保って、それこそ「愛嬌」でカバーですって!
「百日紅」の花言葉から貴方を占うと・・・
可愛らしい人。
明るい性格で場を和ませます。
困った時も辛いときも笑顔を忘れず、何かと周りを盛り立てようと気を配ります。
いつの間にかそれが無意識になってしまっているかもしれません。
そんなあなたと一緒なら、つい落ち込んでしまいそうな曲面でも気を取り直して頑張れそうですが、これにはちょっと注意も必要です。
つい何でも笑顔で済ませてしまう癖は、時と場によっては抑えるべきこともあるでしょう。
その使い分けができてこそ、あなたの愛嬌ある長所も本当に生きてくるのです。