桜の花言葉にまつわるお話

桜

2009.5.16 my garden

桜の花言葉は、「心の美」。

その昔、木之花咲耶姫(このはなさくやひめ)が富士の高嶺より種を撒いたことで広まったといわれる桜。

古事記に記されている木之花咲耶姫はたいそう美しい姫で、その美貌から求婚を受けますが、条件として醜い姉も一緒に嫁がせて欲しいという父親の頼みは受け入れられず、美しい木之花咲耶姫だけが嫁ぐことに。

現代からみれば何だか色々な意味で失礼なお話ですが、この物語の真意を探れば、姉には身の安全を護る力があり、それを拒んだことで人の一生は神々に比べ短くなってしまったという、よくみられるタイプの伝説のひとつです。

桜を日本中に広めた女神の持つ属性は、命短くとも美しく咲いて潔く散る桜と、そんなところでもぴたり一致しているのですね。

桜の花言葉には、他に「優れた美人」、「精神美」などがあります。

「心の美」を花言葉に持つ桜は、こんな花です。

桜は、バラ科の落葉高木。

大きな木に咲く花ですが、同じバラ科のイチゴや原種バラとも共通したお花の形に、植物の不思議を感じます。

桜の種類はとても多く、日本だけでも600種類以上が自生しているとか。

今では全国で最も代表的な桜といえるソメイヨシノは、江戸末期に生まれたばかりの比較的新しい品種で、戦後植えられたこの品種が、近年相次いで寿命を迎えようとしているという事でも話題になりましたね。

一方で、樹齢数百年から千年を越すような桜の古木も存在し、全国のあちこちで大切にされている事実もあります。

樹齢数百年という枝垂桜が山すその森のはずれに佇む姿などを見上げると、深い森を背に、降り注ぐようなお花に圧倒的な存在感を漂わせているのに関わらず、清浄で深い古木の心に癒されるような、不思議な安らぎを感じます。

桜には、こうした大きな木ならではの威厳とか、精神性のようなものがバックにあるところも、他の多くのお花に無い特別なところですね。

今でこそ桜といえばソメイヨシノですが、明治時代以降にこの種類が広まる以前は、ヤマザクラや八重桜が主に愛でられていたそうで、平安時代の人々が称えた吉野の桜もこのヤマザクラでした。

このヤマザクラとソメイヨシノとの大きな違いは、葉と花の咲くタイミングです。

ソメイヨシノは、一枚も葉の無い状態で花だけが、まさしく枯れ木に花を咲かせるがごとく咲き誇るのですが、ヤマザクラの場合は若い葉が目覚めるのと前後して、花も一緒に咲くのです。

ヤマザクラの葉は、生まれたばかりの時は赤っぽい褐色をしているものが多く、その葉陰に白い清楚なお花を咲かせる様は、ソメイヨシノとはまた違った優しい風情があります。

また小さいながらも甘いサクランボを付けるので、鳥がついばんでその種を運びます。

だから、庭にいつの間にかヤマザクラの木が生えてきた・・なんていう事も起こります。

ヤマザクラは樹皮にも特徴があり、えんじ色の絹のような光沢をした木肌に横向きの模様が入る美しい姿が、茶筒などの工芸品に好まれて用いられます。

食べるお話が出ましたので、ついでに桜を味わう話題を少々。

桜は、花も葉も、塩漬けにすると素晴らしい香りを放つようになりますね。

これはクマリンと呼ばれる芳香物質の香りで、この香りは生の葉からは得られず塩漬けにすることで生成されるのだとか。

桜餅に使われる葉っぱの塩漬けや、あんパンや桜茶などに用いられる桜の花の塩漬けの何ともいえない良い香りは、日本のハーブのひとつといってよいですね。

しかも香りだけでなく防腐作用もあるそうなので、桜の葉っぱでお餅をくるむのは、とても道理にかなったことでもあるのです。

お花が散ってしまっても、こうして年中良い香りを楽しめるように工夫する人の知恵は素晴らしいですね。

同様に、お花を散らせた後の木も、折りに触れ思い出しては大切にしてあげられるとよいなと思います。

桜の花言葉から貴方を占うと・・・

清楚な美しさの源は、数々の苦難を乗り越えてきた心の高貴な輝きによるものです。

いたずらに華美を装うこともなく、ただ愛らしいだけの幼稚な美しさでは勿論なく、一筋凛と通った気高さのある、大人の美しさともいえましょう。

表面を飾ったところで到底かなわない、精神的な美しさ湛えた人は、誰からも尊敬をもって迎えられるでしょう。

それはただ装って身につけられるものではないからこそ、価値があるのです。