むくげの花言葉にまつわるお話

むくげ 花言葉 写真

写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市)

むくげの花言葉は、「信念」。

明るくなる前から咲き出し、夕方には散ってしまう一日花といわれ、「デリケートな美」という花言葉もあるように、その花の命は短いのですが、庭木として植えられたむくげの花を実際に見ていると、かなり長い間咲き続けます。

その秘密は、散っても後から次々と新しい花を咲かせるアオイ科らしいその性質。

ひとつひとつのお花の命は短くても、木全体としては尽きることなく花を咲かせ続けることから、韓国での「無窮花(ムクンファ)」という呼び名が生まれたということです。

お花のそういった強さだけでなく、刈り込みにも負けず、枝を地面に刺しておくだけで根付くといったたくましさをも持ち合わせた、むくげのお花を国花にしたことからも、不屈の民というイメージがひしひしと伝わってきますね。

一気に咲いて一思いに散る桜を愛でる日本的な美意識と比べてみると、とても興味深いものを感じます。

「信念」を花言葉に持つむくげは、こんな花です。

むくげは、アオイ科、フヨウ属の落葉樹。

漢字名は「木槿」と書き、中国からこの名で伝わってきました。

フヨウ属ということで、実際、ふようのお花との見分けが付き難い向きもあるようですが、実際にはずいぶんと違いがありますし、ポイントさえ押さえれば、見間違えることはほとんど無いでしょう。

そのポイントとは・・・

まず、葉っぱの色や形が違います。

多年草のふようは、葉っぱが大きく色も草っぽいのに対し、むくげの葉は小さめで、色濃く艶のある木らしい葉っぱ。

それから、樹形も大きく違っています。

ふようが大き目の葉っぱを横に広がるように茂らせ、文字通り「茂み」という言葉がぴったりの姿なのに対し、むくげは枝の数こそ多いけれど、箒を逆さにしたように枝元はすっとまとまっていて、いかにも「木」という様子であまり場所を取りません。

また、良く見るとお花の形もちょっと違うのです。

ふようの花は、まんなかのしべが長く先が曲がって、まるでハイビスカスのよう。

対するむくげは、短めのしべで、ハイビスカスともだいぶ様子が違います。

さて、ハイビスカスの名が出たところで、むくげの属するアオイ科のお話を少ししてみましょう。

むくげやふようを含むアオイ科のお花として、夏の花壇で鮮やかに咲く真っ赤なモミジアオイ、道端や線路の脇などで逞しく雑草として咲いているゼヒアオイの他、オクラの花もふわりと大きく、そのままお庭を飾ったり花瓶に活けられるほどの美しさですし、綿の花や、代わったところでは紙に代わるエコ素材として知られるケナフのお花も、色数が多い上に形もむくげにそっくりです。

そしてもちろん、ハイビスカス。

ハワイを象徴するこんなトロピカルなお花も、むくげの兄弟だと思うと何だか楽しくなりますね。

ちなみに、水戸の黄門様ご一行が「控えおろう!」と懐中より取り出す葵の御紋は、アオイのお花とは全く関係のない、別科のフタバアオイという植物の葉っぱを3つ並べたものです。

むくげのお花の花びらは、夏に涼しい絞りのような風合いを持ち、立ち姿も真っ直ぐで涼しげな佇まいです。

それでいて、一輪でじゅうぶんな存在感のある豪華さも持っているので、夏の茶花として愛されるのも分かりますね。

一輪挿しに活けたむくげは、翌日になると、ぽとりと落ちていることがほとんどですが、その落ちた花びらすらもきれいにまとまり、最後までお行儀よく控えめなあたりがまた何ともいとおしいものです。

ご存知ない方は、機会があればぜひ一度、むくげのお花を活けてみてください。

捨ててしまうのが勿体無いほどに、綺麗に巻かれた巻き文を見られますよ。

むくげの花言葉から貴方を占うと・・・

何かに向けた真っ直ぐな思い、貫く志。

ほんものの信念ほど強いものはありません。

時には生命をも凌駕するほどの強い信念が、人の歴史を動かしてきたのも事実です。

ただ、今の時代、そのような強い思いはちょっと荷が重過ぎるのも事実でしょう。

価値観の多様性や受容的な態度が求められる現代は、1つの信念に基づいて生き抜くのがとても難しい時代といえるかもしれません。

でも、だからこそ、自分なりの信念が持てる人は素晴らしいと思います。

現代なら、現代らしい問題意識や信念というものが、きっと新たに存在するでしょう。

みんなが揃って、困難に立ち向かうような生き方をするのは難しいけれど、信念はもっと身近なところから貫いていく事ができるのです。

何かに迷った時、選択を強いられた時、わずかな犠牲を払っても貫きたい思い、大切にしたい物を持っているなら・・・それが、あなたの信念です。