マルメロの花言葉にまつわるお話

マルメロ 花言葉 写真

写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市)

マルメロの花言葉は、「魅惑」。

ギリシャ神話の愛の女神、アフロディーティに捧げられた果実「黄金のリンゴ」は、洋なしに似た形をした黄緑色の実を結ぶ、このマルメロであったともいわれます。

ふくいくたる芳香を放つその実は、古代ギリシャの新妻たちが初夜を迎える前に口にして、しとねを香りで満たしたのだとか。

花言葉の「魅惑」そのままの情景ですね。

もっとも、当のマルメロの実自体は、その香りとは裏腹に口にして美味しいものではないのですが・・。

「魅惑」を花言葉に持つマルメロは、こんな花です。

マルメロは、バラ科、マルメロ属の落葉高木です。

マルメロのみの一種一属の植物で、カリンとよく似るため混用されることもありますが、カリンはボケ属で、マルメロとは属名も違っています。

それでも、喉の薬になる点や、芳香を持ち果実酒など加工に向いている点など、マルメロとカリンには共通点も多いのです。

そんなマルメロの実は、生で食べようとするには酸味が強すぎ、また繊維も硬すぎるため、もっぱら蜂蜜漬けやジャムの材料に用いたり、果実酒に漬け込んだり、その香りを楽しむために栽培されています。

ヨーロッパではこのマルメロと同様に、調理専用の歪んだ酸っぱいリンゴやルバーブのように、生では食べられず、専らジャムなどに加工するための作物も広く店頭に並びます。

日本の梅とちょっと似ているかもしれませんね。

ところでジャムといえば、柑橘系の果物の皮を用いたジャム全般の呼称であるママレード、その語源が実はこのマルメロだったという興味深い話があります。

香り高いママレードの風味が、同じように芳香を持つマルメロのジャムや砂糖漬けを彷彿とさせたからでしょうか。

いずれにせよ、語源となるくらい古くから親しまれていた果実であることは確かですね。

ヨーロッパでは遠く紀元前の時代より人々の間にあったといわれるマルメロ。

ギリシャ神話の中でも有名な、アフロディーティの黄金のリンゴの物語は、3人の女神、ヘラとアテナ、アフロディーティが互いに美を競った時、審判を頼まれたゼウスが彼女達から恨みを買うのを怖れ、トロイアの王子パリスにその責務を任せたことから、とんでもない方向へと展開していきます。

最も美しい女神に与えられるとされた黄金のリンゴ(マルメロ)を得るために、3人の女神達はこぞって着飾り、また審判のパリス王子に三者三様の賄賂を使おうとします。

アテネとヘラの示した、「全ての戦での勝利」、「全世界の支配」を選ばず、愛と美の女神アフロディーティが示した「最高の美女を得る権利」を取ったパリスは、アフロディーティに金のリンゴを与えたのでした。

そこで彼女はその代償として、最高の美女と名高いスパルタ王の妃、ヘレネを与えると約束し、パリスに船を造らせ妃奪還の旅を命じると、パリスは言われるまま、自分の妻を捨ててスパルタに向かいます。

美男子ナンバー1だったパリスに出会えば、ヘレネもすっかり意気投合。

パリス王子と共に、王の留守中手に手を取って出奔してしまいます。

スパルタ王は当然ながら怒り心頭です。

これを発端にして10年の長きに及ぶトロイア戦争が始まり、かの有名な木馬の伝説で終結を迎えるのですが・・まことに呆れるほど奔放な、ギリシャの神々の世界ですね。

地位も名誉も、モラルも霞んでしまうほどの強い「魅惑」。

マルメロの持つ芳香と、生では食べられない味とのギャップは、危ない魅力を放つ女神達によく似合っているかもしれません。

マルメロの花言葉から貴方を占うと・・・

生まれつきの魅惑的な雰囲気が、異性をとりこにします。

それがよく分かっているあなたには、さらにその魅力を活かそうとするあまり、ディティールにこだわり過ぎる傾向も。

そのうえ技巧に走りやすいともなれば、あざとさばかりが目立ってしまう結果にもなりかねません。

誘惑的な態度やテクニックまかせの恋愛は、危うさと表裏一体です。

素のままのあなたにも、じゅうぶんな魅力があるのですから、時には力を抜いてみては。

素直な姿を見せてみるのも、きっと新鮮ですてきですよ。