いちいの花言葉にまつわるお話

いちい 花言葉 写真

写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市)

いちいの花言葉は、「心残り」。イギリスなどでは、教会に植えられることでも知られるいちいの木は、ロビンフッドにまつわる逸話を思い起こさせます。リチャード王に忠誠を誓い、その元で大活躍した彼でしたが、その王が亡くなり新王が座に着くと、一転して終われる身となってしまいます。戦いに敗れ傷ついたロビンフッドが、仲間に頼んで埋葬された場所は、いちいの木の下だったといいます。お墓に植える習慣が、いつごろからあったのかわかりませんが、不老不死を願ったケルトの言い伝えの他、いちいには土中の死者から発せられる良からぬものを払う力があるという話も。それに加えて、赤い実の中に潜んだ種子が猛毒を持つという点から、シェイクスピアからも忌まわしい木と言われてしまいました。「哀しみ」という別の花言葉も、そんな経緯からつけられたのでしょうね。それでも、みずみずしい姿をしたいちいの実は美しく、小鳥達はこぞってこの実を食べにやってきます。猛毒があるというのに、大丈夫なのでしょうか・・!?平気です。毒があるのは種の部分だけ。消化吸収がずば抜けて早い小鳥達は、甘くて美味しい果肉だけを手に入れて、残った種は消化される前にさっさと糞にしてしまうのです。彼らにとっては、そんな忌まわしいお話は無用でした。

「心残り」を花言葉に持ついちいは、こんな花です。

いちいは、イチイ科、イチイ属の常緑針葉樹です。日本のいちいとヨーロッパイチイは、同属ながらも別種ですが、どちらも姿形は似ています。性質も共通するようで、緻密で上質な木材は加工に適し、東西違わず好んで用いられてきました。その1つの用途が弓です。イチイの強くしなる性質を利用して、アイヌ民族も、ヨーロッパの人々も、古くからイチイを弓の素材に使っています。

先にロビンフッドの伝説をあげましたが、ヨーロッパではもっともっと古い時代から、イチイの弓を使っていたようです。1991年アルプスの山中で発見され、アイスマンの愛称で知られる氷漬けのミイラをご存知でしょうか。5000年以上も前の人が、身につけた服や道具もろとも氷の中で見事に保存されていたために、歴史的な資料としても大発見の「有名人」です。その彼もイチイの弓を持っていたということですから、どれだけ長い間人々がこの木を加工し続けてきたかが良く分かりますね。

そんなイチイの利用法ですが、日本では少しニュアンスが違ってきます。聖徳太子などが手にしている平たい板、 笏(しゃく)は、天皇の即位儀式などに用いられる神聖なアイテムですが、この材料は、飛騨川水源の位山(くらいやま)から取ったいちいの木で作ると決まっているそうです。ことの言われは、1159年、平治元年という年に、同地から最初の笏が収められ、そのすぐれた材質より「一位」の位をたまわった事。ちゃんと記録が残っているそうです。そこから、産地のお山には「位山」の名もつきました。平成天皇の即位儀式の時にも、古式にのっとってこの笏が作られたのだとか。

もっと身近なところでは、飛騨の一刀彫のお土産などもイチイの細工物として知られています。年輪が細かく緻密なので、お箸の材料にもされています。ちょっと探してみれば、あなたの身の回りにもイチイで作った何かが見つかるかもしれません。

けれど、種に多く含まれる有毒物質、タキシンは多量に摂取すると命に関わる猛毒なので、もしお庭や公園で見つけた時は、いくら甘い実とはいえ小鳥のように丸呑みにされないよう、くれぐれも気をつけてくださいね。(小鳥が食べても大丈夫なわけは、最初の方に書いたとおりです)

いちいの花言葉から貴方を占うと・・・

何かと、思いが後をひいてしまう方ですか。余韻の無い心というのも味気ないものですが、中にはいつまでもくよくよしていても始まらない事だって、たくさんあるのです。そうですね、そうは言っても、当の本人にとっては、気持ちを切り替えれば?とか、頑張って!などのアドバイスはただのお節介。下手をすると逆効果になってしまうことだってあるかもしれません。辛い気持ちを無理に押さえ込もうとせずに、泣きたい時には泣いて、味わいたい思いはたっぷり味わって、というのもよいかもしれません。心に寄り添ってくれる音楽もきっとよく効きますよ。そしてなにより、そういう気持ちを味わった事のある人は、他人が同じ気持ちでいる事に対して、とても敏感になれるのです。